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新川帆立:『剣持麗子のワンナイト推理』 [本]

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作者は東大法学部卒で弁護士だそうです。

『元彼の遺言状』がデビュー作ですが、それは読んでいません。



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しばらく前に買って今日読み終わりました。



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これ、名刺の形をした栞です。



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この作者の本を全部読んでみたいというような感想はありません。

デビュー作も。


医師や弁護士、弁理士など高度な専門知識を持つ著者がその知識を生かした作品を描くことが多いように思える今日この頃です。

その専門知識を一般の人が楽しめるような形で作品にするという点はいいと思うのですが、小説の味わいという点を考えると何かが欠けているように思えて仕方がないのです。

心を打つものと言ってもいいでしょうか。


先日も『君のクイズ』(小川 哲 。東京大学大学院総合文化研究科博士課程退学)を読んだのですが、知識だけで書いているような印象で、心理描写はないわけではありませんが情景描写が通り一遍で、文字になっていない部分が何もないという印象です。

目新しさを消化してしまうとそれで終わりです。

読み返そうという気持ちにはなりません。


これも一応文学に分類されるのでしょうが、10年経ったら忘れられているのではないでしょうか。

出版社は心を打つものを世に出そうなんて考えていないのかもしれません。

とにかく売れるもの、なのかもしれません。
 
教科書からは名作が消えて行っているようですし、子供の頃に幸せな読書体験ができるかどうか、人格形成にも大きく影響すると思うのです。
 
そういう印象を持った作品をなぜ取り上げるのかと言いますと次のフレーズが最近の事件に妙にぴったりだと思ったからです。
 
第四話 お月様のいるところ
「こうすれば儲かると分かっていても、それはやってはいけないという境界線があるのよ。普通の人は境界線で立ち止まって引き返す。それなのに私は、突き進んでしまったのよ」

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