YAMAHA の頭部管を比較する [楽器]
山野楽器本店を訪れるのも久しぶりです。
日差しは夏のようです。
今日は YAMAHA フェアです。
試奏時間をあらかじめ予約しておきました。
Bijou の頭部管 Tyoe H の個体差を比べてみようというつもりでしたが、全タイプを並べていただけました。
他に試奏用の Bijou 本体も。
Type E を除いた残りを全て吹いてみました。
Type H はゴールドの頭部管もありましたが、触りませんでした。
Type C にはウエイトを増したクラウンが装着されています。
ほぼこの表の通りの印象ですが、Type H はやはりかなり煌びやかな響きを持っているようです。
先日先生に「派手な音」と言われました。
Type A は抵抗感も少なくとても吹きやすいモデルです。
ですがもっと深い響き、微妙な表現が欲しい時にどこまで応えてくれるか心配な面があります。
イデアルに標準装備でとても評判が良いようですが、確かにそうだろうと思えます。
しかし上達した時、別の頭部管を試したくなるかもしれません。
独特のリッププレート形状に唄口のアンダーカットを大きく取り、管体テーパーは絞りの深い2段テーパーを採用。幅広いダイナミックレンジを持ちピアニッシモでも抜群の発音性を誇ります。
(YAMAHA の HP より)
Type K はライザーが高く、リッププレートの手前が持ち上げられたような独特の外観を備えています。
多彩な表現が可能とのことですが、確かにポイントが広く、どのような吹き方でそれに応じた響きを出してくれるような印象があります。
そういうものを求めている人にはぴたりとハマってしまうとのことでしたが、理想の音や自分の響きを探し求めいている最中、という人が使うと何が何だかわからなくなってしまう可能性があります。
ライザーを高めに設定し、唄口形状は広めで前後に対称ではないアンダーカットを施しています。また、リッププレートの前方の曲げ角度が大きく、抵抗感は少なめ。抜群のコントロール性を誇り、低音から高音まで均質に発音できるのが特長です。
(YAMAHA の HP より)
Type M は Bijou より吹きやすいことを目指したメルヴェイユに標準装備されています。
確かに抵抗感が少なくなっていながら音色の豊かさも Type H ほどではありませんがある程度持っているという印象です。
でも使えるなら Type H の方が魅力的だと思います。
Type Hをベースにライザーを高くしショルダー・アンダーカットを多めに取り、さらに息のあたるリッププレートの上面を削って息の通りを良くしています。音色変化を重視しながら鳴りやすさと発音性を高め、色彩感の豊かさと深みある響きを合わせ持つのが特長です。
(YAMAHA の HP より)
Type C と Type Y はそれ以外のモデルと比べると強い個性は少ないという印象です。
自分の吹き方に合うものを選べば良いと思います。
丸めの唄口形状、若干高めのライザーに大きなアンダーカットを施しています。適度な抵抗感があり、吹き込むことにより深みのある響きと豊かで艶のある流れるような音色が特長です。蓋付きヘッドキャップを採用することで音の纏まりを高めています。
(TYPE C。YAMAHA の HP より)
ライザーを低めに設定し、テーパーは絞りの深い2段テーパーを採用。ニュートラルな音色を持ちながら心地良い吹奏感と深みのある響きを持ち、音色の変化をコンロールしやすいのが特長です。
(TYPE Y。YAMAHA の HP より)
YAMAHA の説明を引用しましたが、頭部管を選ぶときにはあまりこの説明にこだわりすぎない方が良いと思います。
あまり読むと先入観を持ってしまいます。
これまでも書いてきましたが人の口や唇の形、息を吹き出すアパチュアの形などそれぞれ違います。
実際によく知っている曲を吹いてみて比較するのが一番です。
試奏回はそうそうあるものではないので、銀座の YAMAHA を尋ねてみるのが良いかもしれません。
並べてくれた Bijou は展示会であちこちに運ばれている楽器で、いろいろな人が手にして吹き込まれている楽器です。
一昨年私が試奏したもこの個体だったはずです。
いま Bijou をメインで使っているところでこの試奏用の楽器を吹いてみると反応が早くてずいぶんこなれているという印象でした。
反面、金属疲労というほどではありませんが艦隊がだいぶ振動にさらされているような印象があります。
メカニズムもどことは言えませんがなんとなく調整が必要になっているような印象でした。
私の楽器とは内径が微妙に違うので頭部管を互いに交換して比べてみることはできませんでした。
試奏用の楽器の頭部管を私の楽器に取り付けることはできましたが少し緩いです。
その響きは楽器本体の響きが優勢という印象でした。要するにこの頭部管を取り付けてもやや変化はあるもののそれほど大きな違いはないということです。
頭部管は重要で楽器全体の響きを作り出しますが、楽器が変わればもちろん響きも変わります。
私の楽器はいま私が吹き続けることによって個性が固まりつつあるのかなと思います。
YAMAHA の頭部管の表面に刻印された音叉を組み合わせたマークが頭部管の中心を表していますので通常はこれが真上(キーの延長線上)に来るようにセットします。
ところがいろいろ響きの良いセッティングを探しているとこれを僅かに外側に回した位置が一番良い響きが得られることがわかってきました。
これが実に微妙な角度で、目視ではピッタリ合わないことがあります。
しかし合ったときはこの楽器の持つ斎場の響きを得ることができます。
その点を試奏を始める前に YAMAHA のスタッフの方に尋ねますと、確かにマークはそうなのだがこの楽器(頭部管)は少し外側に回すように作られているという説明なのです。
なぜなら設計に関わった工藤さんの吹き方がそうだから、ということでした。
納得するとともにやはりそれで良かったのだと安心できました。
この後は六本木です。
コメント 0